全国の城めぐりとともに進めていた本土四極めぐりですが、7月に本土最南端の佐多岬に到達し、四極踏破を達成しました。もちろん「日本本土四極踏破証明書」も入手しました。
城めぐりと同様に鉄道&バスで四極踏破を目指していますが、佐多岬は四極の中でも最も到達難易度が高いと感じました。というのも佐多岬のある大隅半島は鉄道がなく、路線バスも鹿屋当たりまでは充実しているのですが、さらに南に行くバスは本数が激減します。
調べてみたところ佐多岬最寄り(とはいっても5キロ以上距離がある)のバス停は「ホテル佐多岬」。しかしこのホテルは2023年3月に閉業しており、バス停自体が残っているのかもわからず、ネットで時刻表を見つけることもできませんでした。このあたりを走る南大隅町のコミュニティバスもあるようですが、コミュニティバスの情報収集は難しく、ましてや路線バスとの乗り継ぎを考えるとこれを利用するのは無謀。
そんな中たどり着いた答えが南大隅町が運行する観光周遊バスを利用する方法。南大隅町の中心地である根占港から1日1便運航しています。
https://www.town.minamiosumi.lg.jp/kanko/kanko_bus.html
根占港と鹿児島湾対岸の山川港(指宿市)を結ぶフェリーなんきゅうと連絡をしており、指宿に宿泊することで宿の確保もできます。マイカーやレンタカーを使用しない場合の現実的な佐多岬への到達方法は2024年時点ではこの観光周遊バスを使うしかないと思います。
7月15日に指宿のホテルに宿泊し翌16日に以下旅程で佐多岬に到達しました。タクシーは使用しなくても指宿枕崎線を使用すればなんとかなりますが、今回は暑さと城めぐりの疲労もありタクシーを使いました。
発 | 発時刻 | 着 | 着時刻 | 詳細 |
---|---|---|---|---|
ホテル (指宿) |
7:20頃 | 山川港 | 7:45頃 |
タクシー |
山川港 | 8:00 | 根占港 | 8:50 | フェリーなんきゅう |
根占港 | 9:00 | 佐多岬 | 10:00 | 観光周遊バス |
佐多岬 | 11:00 | 根占港 | 14:30 | 観光周遊バス (途中、伊座敷での昼食、雄川の滝を観光) |
根占港 | 15:00 | 山川港 | 15:50 | フェリーなんきゅう |
フェリーなんきゅうの片道料金は800円。50分で鹿児島湾を横断して根占港へ到着します。湾内ということもあって揺れはほとんどありませんでした。
船上からは指宿の街並みや開聞岳を見ることができ、視界が良ければ桜島も見えるかと思います。前日の南九州は大雨でしたがそれが嘘のような晴天となり絶好の岬日和です。暑さはかなりのものでしたが、船上は海風が常に吹いており暑さはあまり感じませんでした。
根占港で下船すると目の前の駐車場に観光周遊バスが待機していました。平日ということもあってか乗客は私を含めて3名。自分だけじゃなくてよかった…
事前予約が必須ですがこの様子だと休日も満席になることはなさそうです。料金は2500円で現地決済、クレジットカードも使えます。根占港から佐多岬までは片道で37キロほどあるので2500円で往復できると考えればかなりお得なバスです。
11:00に定刻通り佐多岬駐車城に到着しました。途中ホテル佐多岬のあたりを通りましたが、そこからでもかなりの距離と高低差がありこれはホテル佐多岬からであっても歩くのはかなり大変だと感じました。この周遊観光バスがあって本当に助かりました。
佐多岬駐車場には観光案内所がありここで日本本土四極踏破証明書がもらえます。南大隅町独自の証明証もありますが、日本本土四極踏破証明のことで頭がいっぱいでこちらはもらい忘れてしまいました。
駐車場からは佐多岬展望台に至るトンネルがあり、トンネルを潜って5分ほど歩くと御崎神社(祭神:伊邪那伎命・伊邪那美命)に至ります。遊歩道にはガジュマルが蔦を伸ばしており、私が住む神奈川県では見ることのできない南国の風景が広がっています。鳥居とガジュマルの組み合わせは異国感があり昔好きだった三國無双の南蛮ステージを彷彿とさせます。
御崎神社からさらに15分ほど、登り坂を登り切ると佐多岬展望台に到達します。ここが一般人が到達できる本土最南端…ではなく実際には後でご紹介する灯台守官舎跡のほうが少しだけ南に位置しているようです。
2018年に建て替えられた佐多岬展望台は真新しく、屋上からは360度のパノラマを見ることができます。本土四極の中で最も高い位置からの眺めとなり絶景度は抜群です。
納沙布岬や宗谷岬は某国との領土問題、過去の日本領への哀愁などもありどことなく重い空気も感じましたが、佐多岬はそう言ったこともなく晴れ晴れとしています。多分に天気のせいもあると思いますが、時間が許せばずっと眺めていたい風景でした。
佐多岬展望台を後にし、来た道とは別のルートを進むと灯台守官舎跡に至ります。佐多岬灯台は厳密には佐多岬ではなく、佐多岬の南に位置する大輪島に建てられており、かつては灯台守がここからがゴンドラを利用して灯台と行き来していました。灯台は二代目のものですが、残された官舎の石壁は明治時代に立てられた初代佐多岬灯台と同時期のものです。
11:00に佐多岬を後にし伊座敷での昼食後、雄川の滝へ向かいました。私の目的は佐多岬なので他の観光地は下調べをシていなかったのですが、雄川の滝は思った以上に素晴らしかったです。前日の大雨の影響で水量が多く少し怖いくらいでした。売店の方によるとこれだけの水量は珍しいとのこと。水しぶきが涼しく木陰と川のせせらぎに暑さを忘れることができました。
その後観光周遊バスは根占港に戻り、フェリーなんきゅうで山川港へ戻りました。
さて、当初予定では指宿枕崎線完乗のため山川駅から電車で枕崎へ向かい、翌日上り電車で西大山駅に行く予定でした。しかし、あまりに天気が良く日没までも時間があるため急遽タクシーで西大山駅に向かいました。山川港から距離が8キロほどあるため3000円ほどかかりましたが、期待通り晴天下で開聞岳と車両のツーショットを撮影することができました。薩摩富士とも呼ばれる開聞岳ですが、あまりにも整ったその姿は本物の富士山よりも富士山らしいとすら感じました。なお、翌日に指宿から鹿児島中央まで乗車して指宿枕崎線は完乗しました。
2024年7月16日は本土最南端と最南端の駅を踏破することができ大満足の一日でした。