日本城郭検定1級受験(問001~問020)

もう1ヶ月以上前になりますが2015/6/7に日本城郭検定1級を受験しました。
日本城郭検定公式サイト

2013/5/13に第2回で準1級を受験してから実に3回ぶり、第6回で1級の初登場です。勇んで挑戦してみましたが結果は散々。自己採点も途中でやめてしまいました。目指せ60点といったところでしょうか…初の1級ということでここで合格したらスゴイぞという思惑でした。本を読んでおさらい等、勉強らしきこともしました。しかしやはり1級、そんなに甘くはないです。

出題傾向
問題で目についたのが”なになにはいくつか”、”コレコレは何年か”といった特定の城に関する数字を当てる非常にディープな問題。特に今年国宝に再指定された松江城天守に関わる一種の時事問題がこれでもかと出てきました。城ファンとしてはこれくいらいアンテナを貼っていて当然といった感じなのでしょうか…なかなか手厳しい。

実問題
というわけでこれからしばらく1級の問題を掲載します(誤字脱字もそのままです)。気が向いたら全部載せるかもしれません。問題集もいずれ出版されるでしょうが、それまでのご参考にどうぞ。
私は気長に合格を目指します。受験でいろいろなところに行くことが出来て楽しいですし。なお、正解は自信がないので結果通知の後に記載します。申し訳ないです。
正解が公開されましたので記載しました。白文字で記載しましたので反転して確認してください。

問001
城に設けられた惣構(総構)代表例といれば後北条氏の小田原城、豊臣氏大坂城、徳川氏江戸城などだが、次の中で総延長が最も長かったのはどれか。
1 金沢城
2 姫路城
3 京都御土居
4 会津若松城
正解→3 京都御土居

問002
馬出には、様々な種類があるが、佐倉城に残っている馬出は江戸時代の軍学書による分類ではどれか。
1 真の馬出
2 草の馬出
3 真の丸馬出
4 草の丸馬出
正解→2 草の馬出

問003
徳川氏大坂城外郭主要4門に出枡形形式のものがあった。それはどれか。
1 大手門
2 玉造門
3 青屋門
4 京橋門
正解→3 青屋門

問004
石垣に使用する石材の産地が近場にない限り、遠方の産地から運搬せざるを得なかったが、城地自体が岩山であるため自前の石で築かれた城がある。それはどれか。
1 会津若松城
2 仙台城
3 盛岡城
4 弘前城
正解→3 盛岡城

問005
品川台場、五稜郭などで使用されている跳出が、石垣の勾配の一つとして挙げている軍学書はどれか。
1 海国兵談
2 武教全書
3 山鹿流兵法伝書
4 甲陽軍鑑
正解→1 海国兵談

問006
徳川幕府は武家諸法度などで全国支配体制を固めて行ったが、参勤交代制度や仕事を求めて江戸にやってきた武士階級・各種職人たちはすべて男性であり、江戸中期に100万に達した江戸人口の何%が男性であったか。
1 80
2 75
3 70
4 65
正解→3 70

問007
1615年、徳川幕府は「一国一城令」を発布したことにより、全国に存在する城の数は170城程度に整理された。発布以前の城の数はどれか。
1 3000
2 2000
3 1000
4 500
正解→1 3000

問008
戦国大名1号と言われる伊勢宗瑞(北条早雲)に始まる北条5代の城主たちは北条家の勢力拡大維持のため、各地の有力大名たちと姻戚関係を築いていた。次の中で関係のない大名は誰か。
1 今川義元
2 武田信玄
3 徳川家康
4 伊達政宗
正解→4 伊達政宗

問009
今日のコンクリート擁壁設計では断面内に引張り応力が発生しないように鉄筋を配置したり断面形状を変更したりするが、城の石垣は鉄筋もセメントも用いないで400年以上安定している。この伝統技術は、石垣断面中に引張り応力が生じないように間詰め石などを介して石材を積み上げて、土圧などを石積み断面内に集めて、なんという作用で抵抗しているものか。
1 アーチ
2 相互
3 複合
4 せん断抵抗
正解→1 アーチ

問010
1990年代の発掘調査により戦国時代の遺構が良好な状態で残されている事が分かり、全国的に見て珍しい山城の復元が行われている武田軍と徳川軍が争った城はどれか。
1 長篠城
2 横須賀城
3 二俣城
4 高根城
正解→4 高根城

問011
石垣断面には鉄筋もセメントも用いられていないので、土圧は出来るだけ小さくしないと安定しない。土圧を小さくするには石垣背面の地盤強度が大きい地山を活用しその場所に石垣を配置する。さらに裏込め・埋戻し土の強度を大きくするためには、どのような物をよく締め固めるなどの配慮が必要か。
1 粒度配分の良い砂質土
2 角の取れた河原石
3 粘土
4 山砂
正解→1 粒度配分の良い砂質土

問012
城とその城下町造りの思想は、東に流水(青竜)・西に大道(白虎)・南にくぼ地(朱雀)・北に丘陵(玄武)が備わる土地が望ましいと言われる。これは、古くからの陰陽道に基づく考えが基本にあるが、このような考えは何と言われるか。
1 四神相応
2 古神道
3 古儒教
4 平安京配置計画
正解→四神相応

問013
戦国時代の日本三大奇襲戦とは、桶狭間の戦い・厳島の戦い・川越城(川越夜戦)の戦いとした江戸時代の歴史書はどれか。
1 日本外史
2 海国兵談
3 大日本史
4 群書類従
正解→1 日本外史

問014
幕末期に異国船の襲来に備えて築城された和式の城は、蝦夷地の松前城の他に西日本にもあった。それはどれか。
1 唐津城
2 石田(福江)城
3 平戸城
4 肥後南関城
正解→2 石田(福江)城

問015
破風板の拝みには、その後方にある棟木の先端を隠す装飾用の材があるが、これは何と呼ばれるか。
1 懸魚
2 蟇股
3 薙眉
4 木連格子
正解→1 懸魚

問016
「養生訓」で著名な江戸時代の儒学者貝原益軒が、編纂にあたった家の歴史書はどれか。
1 黒田家譜
2 細川両家記
3 前田家家譜
4 伊達家治家記録
正解→1 黒田家譜

問017
城の石垣にも残る大名の家紋だが、戦場における識別のため急速に広がったのはいつの時代とされるか。
1 平安時代
2 鎌倉時代
3 室町時代
4 安土桃山時代
正解→2 鎌倉時代

問018
朝鮮半島には約800か所の城跡が確認されているが、朝鮮半島の城の基本形は中国東北地方で発達した北・東・西の三面は山に囲まれその稜線を石積みで囲み、南面は平地に開けた様態の山城である。何型と呼ばれるか。
1 高句麗型
2 任那型
3 百済型
4 朝鮮北方型
正解→1 高句麗型

問019
中国の城郭都市の巨大な城壁は、表面から1~2mの厚さで磚と言われ800℃程度で焼成した黒色煉瓦を鉛直に積み上げ、その内側を版築工法で盛土したものである。磚と盛土に利用されていたのはどれか。
1 黄土
2 洪積層粘土
3 沖積層粘土
4 亜炭
正解→1 黄土

問020
松代城は、山本勘助が縄張りした時は海津城と呼ばれたがその後の城主によって名前が変わった。松代城と呼ばれた時の城主は誰か。
1 松平忠直
2 松平忠輝
3 真田幸道
4 真田信繁
正解→3 真田幸道

今回はここまでにします。

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