現在、小田原城の御用米曲輪では史跡整備のための発掘調査が行われています。先月に引き続き1ヶ月間の発掘成果の現地説明会が11月23(土)に行われたので行って来ました。
前回の現地説明会の投稿はこちらです。
今回の現地説明会では、これまでに確認された北条氏時代の「池」の水を抜いた状態を見ることが出来ました。また先月からの1ヶ月間の調査により、舟と思われる木材、橋の柱穴、石組井戸、暗渠水路、新たな礎石建物跡が確認されました。
これまでの調査でこの池は西側が上段、東側が下段に分かれており上段の池から滝のように下段の池に水を流していたと推測されています。
先月の現地説明会以降の調査成果は以下のとおりです。
- 下段の池の護岸に貼り付けられた石塔部材は最大15段、190センチメートル程度の高さで積み上げられている
- 下段の池の中央に突出した岬部分から本丸方面に向かって柱穴が見つかった。池にかかっていた橋のものと推測される
- 下段の池から舟の木材(底板、側板)が見つかった。水に浸かっていた部分のみが腐らずに残ったものと推測される
- 上段の池付近から石組井戸、暗渠水路が見つかった。掘立柱建物跡も見つかっており、この建物の地下を通し池に水を流していたものと推測される
また、上記の他にも上段の池付近から新たな礎石建物跡が見つかったそうで、来月の現地説明会までに調査を進めるとのことでした。
実際に現地に行ってみると確認された部分だけでも池の規模に目を見はります。御用米曲輪にはこの池に釣り合うのような立派な建物があったであろうことが想像できます。450年近い時を越えて北条氏康や氏政といった名だたる武将が見たであろう光景が明らかになりつつあります。来月の現地説明会が楽しみです。